プラークコントロールどころではなかった15年前

 医員、大学院生、助手として大学に在籍したあいだは、悪しき専門主義というか、セクト主義というか、なかなか他の教室をのぞいたり勉強しに行ったりということはありませんでした。
 今になって考えると、最新の研究や臨床がすぐ近くで行なわれていて、それもお金を払わずにのぞこうと思えばできたわけで、なんともったいない事をしていたのだろうとつくづく思います。
 以前書いたように開業医として立つことに徐々に決心を固めていた頃、歯周病の勉強も雑誌や教科書で少しずつ行なっていました。

 15年ほど前、伊勢崎に帰ってから、予想していた事ではありましたが実際の地方都市での臨床においては、プラークコントロールどころではないというか、歯周病やブラッシングに関する意識や関心は低い状態でした。
 押し寄せるカリエスや根管治療、補綴の治療に時間や精力を奪われ、なかなかプラークコントロールから入るきちんとした歯周治療は難しい毎日でした。そのままの臨床を続けていても、この頃は何とかなったと思います。 もしかしたらずっとそのままの方が、経営的には良かったかもしれません。
 しかし何とか歯周治療をベースにしたしっかりした治療をと悩んでいたある日、「治療をしてもらっているのに、グラグラしてきちゃったよ」と苦情を言う患者Aさんに出会いました。 「それは」と時間のない中で原因を説明し、歯周病の知識を教示し、当時はスタッフの体制もできていなかったので自分でブラッシング指導し、スケーリングをし、何とか外科手術まで行う事ができました。
 何人かこのような試行的な患者さんを経過するうちに、ブラッシングやスケーリングを任せられるスタッフ(衛生士)の必要性をつくづく痛感してきました。

(2007年7月16日)

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