基本的治療の充実と最新技術

 このように何とか「ベーシックな」歯周治療をこなすための医院の態勢をつくり、患者さんを持続的に見ていくことをある程度出来るようにすることが、けっこう大変な事です。 実際の仕事を担う歯科衛生士の確保が不安定なこと、保険診療による診療報酬がとても十分とは言えずさらにその改定の度に下げられていること、患者さんの治療に対する動機が診療期間が長くなるにしたがって下がりがちなこと、など不利な要因はいつも付きまといます。

 こんな泥臭い奮闘をしているうちに、ふと周りを振り返ると、最近の歯周治療のトピックスはずいぶん「カッコイイ」ことになっています。 インプラント、歯周組織の再生治療、マイクロサージェリーなどの歯周外科手術、細菌をターゲットにした薬物療法など、様々な華々しい治療が紹介されています。 もっともこれらの治療の基本的な紹介はずいぶん前になされていましたが、患者さんの意識の向上によってこれらの療法が受け入れられる状況になってきたという事でしょうか。

 それにしても、これらのようなアドバンスな治療が成立するにはそれ以前の基本的な治療(とにかくプラークコントロール)が問題なくなっているということが必要です。 最近ではその部分はあまり話題にならない気がするのですが、果たしてこれは解決済みということなのでしょうか。 私は疑問だと思います。 どうしてもインプラントや再生療法などの華々しいところに現在目を奪われがちなのではないでしょうか。 せめて自分の診療室では、足元もきちんと見て地に付いた治療をしていきたいと思っています。
 ではありますが、やはり最新の知識、技術にそっぽを向くのもそれはまた問題です。 これまで上記のような事で、自分としては若干遅れを取ったという自覚がありました。 そのためもあって、しばらく前からたくさんの研修への参加と、また今年になって臨床歯周病学会への入会をしたという次第です。 おかげさまでまた大分近年の流れをつかむ事ができたと思っています。これからもその知識、技術を多くの患者さんに還元していきたいと考えています。

(2007年8月24日)

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