藤澤政紀先生講演会

 去る2009年11月12日、午後2時より平成21年度伊勢崎佐波歯科医師会学術研修会として、明海大学歯学部補綴の藤澤政紀教授の講演がありました。 演題は「補綴装置に手を付ける前に考えたいこと」。

 藤澤先生は今年の6月に群馬県歯科医学会でも公開講座でお話がありました。 その時とほぼ重なる御講演で、補綴医としての立場からおもに咬合をいじる時の危険性、心身医学的問題のある患者さんへの基本的なスタンス、などを話されました。 今回は顎関節症の患者さんに関する話を詳しくされましした。

 ちょうどドライマウス研究会と、歯科医師会での精神科の先生による歯科心身症のお話をはさんで、藤澤教授の講演を聴いた訳です。 補綴治療を行う場合には可逆的な方法をとり、「患者の訴えを解消する上での不安を軽減していく、いわば簡易精神療法を踏まえた可逆的アプローチです。 このアプローチは、治療方法であると同時に診断を下す上での根拠を提示するという点では、検査も兼ね備えているといえます。」という考え方は非常に共感できるもので、また日常試行錯誤的に行っている方法を意識させてくれるお話でした。

 日頃考えるに、雑誌等で華々しく紹介される咬合を再構成してしまうようなケースは、はたして問題なく経過しているのでしょうか。 某先生のおっしゃられていた「インレーひとつ外れても、局所の問題と考えてはいけない。すぐに再装着するのではなく、咬合の問題を掘り出して、全顎の治療にもっていく。それがコンサルテーションである」というようなアプローチは、われわれを経済的に幸福にするかもしれませんが、果たして不幸にしてしまっている患者さんはいないでしょうか。

(2009年11月23日)

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