平成22年度群馬県歯科医学会

 例年のように、今年も1月末の土日すなわち29、30日に群馬県歯科医学会学術大会等が行われました。 高崎問屋町のビエント高崎において、私も学会の幹事(=スタッフ)の一人として参加しました。 今年は補綴学会も関係なく、自分の学会発表もないためある意味気が楽でしたが、土曜の昼から現地に集合し、会場の用意をして、この日は教育セミナーが5本行われました。

 自分に関係のあるものとしては、横浜市開業の田中五郎先生の「筋圧中立帯を基準とした総義歯製作法」が興味ある講演でしたが、具体的基本的には私たちが教わってきた現在の正統的総義歯臨床と一致するものだと思いました。 歯槽頂間線法則を考え直すものとして話されていましたが、まだ世間(歯科界)一般では歯槽頂間線法則による配列が通法なのでしょうか。 私の考えでは、どちらの法則に必ずしもとらわれることなく、症例の条件で臨機応変どちらをより当てはめるか考えるべきだと思います。
 最後の土屋和子先生の「バイオフィルムの概念が変えたスケーリングと身体の健康」が本日のメインというか、多くの衛生士さんが参加してくれました。 講師はいわゆるカリスマDHのはしりの方なので、多くのファンがいるようでした。

 2日目は一般口演が16題、その後午後3時半から特別講演として小宮山彌太郎先生の「今思う、インプラント治療への警鐘」が行われました。 これは同時に補綴学会関越支部会の学術講演会として企画されたものです。 小宮山先生は衆知のとおりブローネマルクインプラントを日本に紹介した第一人者でいらっしゃいますが、元々は東京歯科大学の有床義歯で関根先生のもとで助教授をされた方です。 私が大学院の時に部分床義歯の論文を読み漁った中でずいぶんお名前を拝見しましたので、自分の中ではそちらの顔のほうが先に意識にありました。 以下、内容は関越支部会への報告書に書いた文から。

 近年インプラント治療の急速な普及に伴い、その「影」の面が社会的にもクローズアップされているが、 演者はオッセオインテグレーションインプラントを日本に紹介した第一人者である立場からこの状況に警鐘を鳴らしている。 親しく交流されているブローネマルク先生の言葉も織り交ぜ、安易な裏付けの乏しい新技術、製品に飛び付くことへの警告、確立されたプロトコールの尊重、滅菌操作等の基本の順守、など治療計画から臨床での細かい点についてまで話された。 インプラント治療は欠損補綴に対する強力な治療手段であるが、ひとたび誤ると患者さんと術者、さらには歯科医療界全体に大きなダメージを与えかねないものであることを認識させられた充実した講演であった。

(2011年2月18日)

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