「サイナスリフトの臨床」研修

 去る12月16日に、医科歯科大学同窓会主催のセミナーのひとつに参加し、これが今年の研修収めになりました。 インプラント関係で、「サイナスリフトの臨床」という実習のコースでした。

 サイナスリフトとはインプラントを埋入するための手術の一つです。 頭蓋骨の一部である上顎には、上顎洞という骨の中の空洞があります。 これは鼻腔と小さい穴を通して交通しており、いわゆる蓄膿症の時に膿がたまる副鼻腔のひとつです。 もともと上顎の臼歯部では、人によっては歯根がここに突き出していたり、虫歯が原因で感染を起こしたりするような近い場所なのです。 上顎臼歯を抜歯すると、歯を支える骨が吸収したり上顎洞が下がってきたりして、上顎洞までの距離が非常に小さくなってしまう場合がままあります。 中にはほんの1〜2ミリの卵の殻のような骨しかなくなってしまうこともあります。 こんな状態ではとてもインプラントを植える事はできません。

 その時に行なうのがサイナスリフトで、口の中から上顎洞側壁の骨に窓を開け、骨と上顎洞粘膜の間に他の部位から採取した骨や人工骨を移植する手術です。 これによってインプラントの適応症がまた一つ広がります。

 今年は約60本のインプラントを埋入する事ができましたが、その半数くらいが何らかの付加的手術を必要としました。 要するにインプラントを必要とする場所はかなり「やられている」場合が多いということです。 何が何でも骨を作ったり、自然な形にならなければいけないわけではない、できれば骨移植等の手術は避けたいものですが、やはり必要な場合が多いと思います。 いろいろな手技を慎重に臨床に取り入れてきましたが、今回研修したサイナスリフトもいつか必要に応じて行ないたいと思います。

(2007年12月28日)  

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